『LIFE SPAN(老いなき世界)』という書籍をご存知でしょうか。
ハーバード大学医学大学院遺伝学教授、ポール・F・グレン老化生物学研究センター共同所長のデビッド・シンクレア氏の著書『LIFE SPAN(老いなき世界)』が、20カ国で刊行されて世界的なベストセラーとなりました。
この発表によって、シンクレア氏は老化の原因と若返りの方法に関する研究で一躍大注目される存在となりました。
※シンクレア氏は、『タイム』誌による「世界で最も影響力のある100人」(2014年)、「医療におけるトップ50人」(2018年)の1人にも選出されており、これまでに200本あまりの科学論文を発表し、 50件超の特許を共同発明し、14社のバイオテクノロジー企業を共同創業する老化研究の先駆者で、これまでの功績が認められて35の賞や栄誉を授与されています。
シンクレア教授のサーチュイン遺伝子、NADの前駆体であるNMNなどの老化を遅らせる遺伝子や低分子の研究は世界から大注目を浴びています。
老化は病気である。
『LIFE SPAN(老いなき世界)』の中で、言われている代表的な内容として『老化は病気である』ということがあります。
生物が時間経過によって老化することは、どうしても避けられないものとして考えられていましたが、実は様々な『老化』と言われているものに関連する症状の多くは、そもそも『老化という病気の一症状』であるとして、改善が可能であるということなのです。
【老化という“病気”による影響】
- 代謝の変化による栄養状態の感知メカニズムの調節不全
- タンパク質の正常な働き(恒常性)が失われる
- 細胞間情報伝達が異常をきたして炎症性分子が作られる
- 幹細胞が使い尽くされる
- 染色体のテロメアが短くなる
- ミトコンドリアの機能が衰える
- ゾンビのような老化細胞が蓄積して健康な細胞に炎症を起こす
- DNAの損傷によってゲノムが不安定になる
- 遺伝子スイッチのオン・オフを調節するエピゲノムが変化する
→これらのひとつでも対処をすることで、老化を遅らせることができる。
日本人の平均寿命と健康長寿
先進国の寿命は1日5時間というスピードで延び続けていると言われており、日本人も同様に平均寿命は延び続けています。
内閣府の高齢社会白書「平均寿命の将来推計」によると、平均寿命は今後も伸びると予想され、2060年には、男性は84.19歳に、女性は90.93歳になるとのことです。
しかし、現在の日本は高齢化社会に突入しており、国民医療費はそれと比例して年々増加しています。2019年度の国民医療費は43兆6000億円。前年度に比べて1兆100億円(2.4%)増加しており、過去最高となりました。
年金は減り続ける一方なのに、国民の医療費負担は増加傾向で、平均寿命は延びても、本当に元気で健康長寿の人が少ないという状況となっています。
身体が健全でいられる状態(=健康寿命)は、男性:72歳/女性:74歳と言われているので、単純な平均寿命までの差が10数年あることになるのです。
健康寿命も比例していかないと思い描いているような長生きをしているとは、言い難いのが現状です。
日本は長寿大国ですが、これまで老化・寿命の制御メカニズムの研究はほとんどおこなわれずに個別の病気に対して多くの研究費が使われてきました。
しかし、いま世界では「多くの病気の根本的な原因は老化にある」という考え方が主流となっており、老化が根本的なリスク要素になっているので、そのメカニズムを理解し、病気にかからないようにする研究が盛んになっています。
これまでのように病気を1つ1つ研究して予防策を講じていくよりも、多数の病気のリスク因子である老化そのものを研究して予防策を講じれば、効率的に複数の病気をまとめて予防できると考え、逆転の発想によって研究が進められています。
老齢期にもカラダが若々しく健康でいられることが大切でQOL(quality of life)を向上させるカギになる!
→健康で長生きする=「健康寿命を延ばす」ことが重要!
老化研究はそうした「予防医学」あるいは「先制医療」の点からも注目されているのですが、残念ながら日本はそうした流れの中で、かなり遅れをとっています。日本は長寿国家ですから、医療費を抑制する上でも重要なことなのです。
老化・寿命を制御する特別な”サーチュイン遺伝子”
初期の老化・寿命の研究は、「生物はどのように死ぬのか」「臓器にはどんな変化が起きるのか」などを研究するものが大半でした。
しかし、1980年代終わりから分子生物学や分子遺伝学の発展によって、生物の遺伝子を操作して生命現象を解明しようという流れが起き、その結果分かったのは、ある1つの遺伝子に変化を起こさせるだけで、老化を遅らせたり寿命を延ばしたりできるということでした。
健康寿命を延ばし、「⾧寿遺伝子、若返り遺伝子」とも呼ばれているのがサーチュイン遺伝子で、誰もがサーチュイン遺伝子を保有しているのですが、サーチュイン遺伝子は通常は発動せず眠っている状態です。
私たちの身体には、ニコチンアミド → NMN → NADという合成経路があり、サーチュイン遺伝子はこのNADを使うことによって神経細胞を活発にし、身体のさまざまな機能を回復する効果をもたらすことがわかったのです。
私たちの体には7種類のサーチュイン遺伝子(SIRT1からSIRT7まで)が存在しており、これらを活発にする成分として『LIFE SPAN』で紹介されたのが「NMN」です。
「NMN」は7種類あるサーチュイン遺伝子のすべてを目覚めさせ、活性化させる唯一の物質であり、しかも高い安全性が確認されています。
【NMNに期待できる効果】
- サーチュイン遺伝子7種類すべてを活性化
- 活性酸素の除去
- ミトコンドリア細胞の機能向上
- 神経細胞の賦活化
- 免疫細胞の賦活化
- 脳や心臓などの細胞死の抑制
- 高血圧の予防
- ガンや動脈硬化・糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防
- 抗菌・抗ウイルス作用
- 抗アレルギー作用
- 抗炎症・鎮痛作用 ほか